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【そもそも論】「頭が良い人ほど仕事ができる!」…は、果たして事実なのか?

よくある疑問として、「頭が良い人ほど仕事ができる!」…は、果たして事実なのか?…があります。

余程ひねくれた考え方をしていなければ、頭が良い人ほど仕事ができるイメージがありますね。とはいえ、「高学歴だからといって、仕事ができるとは限らないぞ!」…というのも確かで、事実、そういった人は一定数存在しております。今回なのですが、科学的に、「頭が良い人ほど仕事ができる」が確かな指標となるのかを調べましたので、それをお伝えします。

どうぞ、よろしくお願いします♪

 

 

頭の良さでは仕事のパフォーマンスを予測しきれない

 

これは2026年に出たメタ分析で、1990年から2022年までにおこなわれた研究を対象に、最近の3つのメタ分析に含まれるデータを集計して再分析したものとなっております。対象となったサンプル数は、最終的に計109,396名分となり、30年にわたって集計されたデータになり信ぴょう性の高い内容となっております。

研究チームが注目したのは、「一般認知能力(GMA)」と呼ばれるもので、これは、情報の理解や論理的思考、問題解決能力のことを指しております。俗に言う「頭の良さ」のことで、この能力が高い人ほど、実際の仕事でも高い評価を受けられるかを調査したわけです。

 

まず、今回のメタ分析で判明した結論ですが、「知能と仕事の成績の相関の効果量は、0.18 〜 0.22 の範囲に収束した」ということ。

効果量について説明すると、1に近づけは近づくほど相関があるとされ、基本的な考え方では、 0.50 以上なら信ぴょう性が高いと判断して大丈夫です。以前のデータでは、知能と仕事の成績の相関は約 0.50 と報告されることがありました。そういうこともあり、昔の通説では、「頭が良い人ほど仕事もできる!」という考えには、ある程度の科学的な根拠がありました。ですが、それが覆る結果となり、研究チームによると、「現代のデータを代表する数字として、約 0.20 とするのが妥当といえるかもしれない」と提案してました。

 

相関の効果量である約 0.20 ついてですが、簡潔にまとめますと、知能検査の成績で証明できる仕事の成績の偏差は約4%ほど。つまりは、知能と仕事の成績との関係性は、ほどんとないと言えるレベルの数値です。

たとえば、

 

  • 採用試験では非常に高い成績を修めたものの、実際の仕事場では、あまり成果を挙げることができない
  • 採用試験では平々凡々な成績だったのに、実際の仕事場では、非常に優秀な成果を挙げることができた

 

といった現象が、普通に起こり得るということ。
そうは言っても、相関は 0.2 はあるので、高学歴や採用試験での好成績を中心に採用するのは、決して的外れとは言い切れません。

 

 

 

頭脳労働でも知能が重要になるわけではない

 

この分析では、「仕事の複雑性と知能の関係」も調査してくれております。

単純な考え方ですと、複雑な仕事ほど、知能が重要になりそうなイメージがあります。今回の分析では、以下の3つの能力をチェックしていまして、

 

  1. Data(情報処理):判断や問題解決などの頭脳を用いる能力
  2. People(対人関係):人とのコミュニケーションやチームビルディングが必要な能力
  3. Things(モノの操作):機械の修理や設備の操作など、実際的に対象を取り扱う能力

 

これらの能力に分類して評価したところ、「情報処理の複雑性が高い仕事でも、知能と仕事の成績の関係性が増加しなかった。」そうです。

細かく見ていきますと、機械や設備などを扱う仕事では、知能と成績の関連が高くなる傾向が見られたとのこと。ですが、総合評価では、「頭脳労働だからといって、必ずしも知能が必要というわけではない」という結論になったそうです。では、なぜ以前は効果量 0.5 という結論だったのに、最新の結論では効果量 0.5 と評価するに至ったかといいますと、

 

  1. 統計的な補正によって相関が大きく推定されていた可能性:以前の研究は、採用試験を通過した人物のみを調査することで生じるデータのバイアスを過度に補正した結果、知能と仕事の成績の関係を実際よりも大きく見積もっていた可能性がある。今回の研究チームは、複数の補正方法でも、現代のデータでは相関が 0.20 前後に納まったことを確認している。
  2. 仕事の内容そのものが昔と変化した可能性:以前の仕事場では、個人に与えられた作業を正確に遂行する能力が重要だった。現代の仕事場では、他者と協力して仕事を進める、チームメンバーと情報を共有する、状況に応じて柔軟に仕事の進行を変化させるといった能力の方が重要視されている。そのため、知能検査で測定できる能力の重要レベルが低くなっている可能性がある。

 

特に後者については、この論文では、過去と現在の職業データを比較していて、現在の職場は、対人関係に関する仕事が大きなウェイトを占めていることが明確になっていて、かなり信ぴょう性が高いです。

以上のことから、

 

  1. 頭の良さだけでは、その人の能力を判断できない:会話の理解が速い、難問を即座に解決できると、「仕事ができる感」があります。ですが、実際の仕事では、期限の厳守やミスが少ない、他者との協調性といった能力のほうが重要になっている可能性があります。
  2. 知能検査の結果がすべてではない:知能検査の成績が平凡ないし低いからといって、仕事ができないわけではありません。反対に、成績が良かったからといって、仕事ができるというわけでもありません。検査の成績だけで自身の能力の限界を決めることなく、実際の仕事で、自分に何ができるかを重視したほうが健全です。

 

ということが、今回のメタ分析の結論から言えそうです。

注意点ですが、これはあくまでも相関関係での話です。よって、「頭の良さが仕事で役に立たないわけではないけど、頭の良さで仕事の成果が決まるわけではない」と考えておいた方が良いでしょう。そういう考え方でいると、気持ちにゆとりができるかと☆

 

 

【参考文献】
[Is general mental ability still the best predictor of job performance? Integrating contemporary meta-analytic evidence]

 

 

 

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