運動が健康に良いのはわかるけど、なかなか続かない…。
僕はある意味、仕事のため・生きるために運動をしているので割り切っているのですが、一般の方々で運動の習慣がなかった人にとってはキツいものがあります。そんな方々に、今回は「運動を習慣化するには、どの方法がベストなのか!?」を解説していきます。
どうぞ、参考にしていってください!
≪Contents≫
運動を習慣化する最善の方法
これは2017年に出たウエストチェスター大学の論文でして、181名の男女が対象に実験をおこないました。
対象になった男女ですが、定期的にジムに通っていたものの、習慣化できずに週1回以下のペースになった人のみを選抜したそうです。
この実験の内容ですが、以下の3タイプの介入がおこなわれました。
- 自身への報酬:1回30分のエクササイズを週3回することで80ドルのAmazonギフト券がもらえる
- 社会関係の形成:参加者をランダムでペアを組ませてジムに通ってもらう
- 競争心の活用:週半ばで「他の参加者は週の目標を達成しました」と情報をあたえる
習慣化にあたり様々な方法がありますが、大きくわけて3つの方法をグループわけで試していったそうです。
実験は3週間で、結果は以下のようになったそうです。
- 自身への報酬グループは、以前と比較して2倍ほどジムに通う日が増えたものの、週に1.5日のみの増加なので統計的には大きな変化とは言えない
- 競争心の活用グループは、以前と比較してジムに通う日が週2回以上に増加した
- 社会関係の形成グループは、以前と比較してジムに通う日数が3倍に増加した
どの方法にも一定の効果があるのだけど、いわゆる「仲間を作る」方法がもっとも効果的で、ジムの日数が週3以上に増えたそうです。また、この研究ではフォローアップもおこなっていて、実験終了から数週間後に、参加者全員の状況を再調査していきました。
その結果が以下のとおりとなっております。
- 3つのグループすべてが、実験前よりもジムに通う回数が増えていた
- とくに顕著なのが、実験前にジムに通う回数が少なかった者ほど効果は大きかった
- しかし、実験終了から4週間が経過すると、どのグループも実験前と同様にジムに通わなくなった
実験が終わってジム仲間と別れてしまうと、4週間で介入の効果がなくなってしまうそうですね…。
ジム仲間というピアプレッシャー(同調圧力)による習慣化の効果を活かすには、継続的にジム仲間との関係を維持する必要がありそうです。
運動を習慣化させるのに有効な仲間
運動を習慣化するのにもっとも有効なのは「仲間を作る」こと。
しかし、なんでもかんでも仲間をつくれば良い!…っていうわけではありません。
2016年に公開された系統的レビューでは、過去のソーシャルサポート(仲間からの援助)に関する研究から、20件をピックアップして、どのような仲間が運動を継続するのに役立つかを追究してくれてます。その結果、仲間を作ることで運動が続くのは、感情的なサポートを得られるからであることがわかったそうです。
感情的なサポートを得られる人というのは、たとえばハードなエクササイズをしてくじけそうなとき、やる気を起こさせてくれるような相手のことです。仲間が運動の習慣化に一役買っているのは、運動にまつわるネガティブな感情を取り除いてくれるからなんです。
もちろん、運動習慣に悪影響をもたらすタイプの仲間も存在しています。
それは「ネガティブなソーシャルサポート」を与えてくる人だそうです。
たとえば、運動を始めるときに「そんなにやっても効果がないよ!」とか「ケガをするからやめときなよ!」といった、こちらを心配するようなコメントをしてくる人のことですな。そういう人がこちらの心配をしてくれてるのは間違いないんだけど、こういった類のコメントは、当然ながら運動への動機づけが落ちてしまうようですね…。
また、同じような要領で、トレ仲間や友人、パートナーからプレッシャーをかけられると運動が続かなくなりやすいのでご注意ください。「もっとやれるだろ!」や「運動しないとダメじゃないか!」といったように、こちらへ運動のプレッシャーを与えてくる人たちのことであります。当たり前ですが、人間は強制されると、それに反抗したくなるものですからね。
僕は、自分の理論でトレーニングを進めていくタイプですし…。
以上のことをまとめていくと、
- 高いジムへの入会といった報酬で自分を動機づけすることは、大きな効果が得られない
- 運動の習慣化でもっとも有効なのが運動仲間を作ることだが、その場合は仲間との関係を維持することが重要である
- 運動仲間を作る際は、運動についてプレッシャーをかける・ネガティブなコメントをする人ではなく、運動に関する愚痴や弱音をしっかりと聞いてくれる相手がベスト
- 仲間がいない場合は、他人と競争できる仕組みを用意する(Fitbitの比較機能を使うなどして)
が良いのかな?…って感じです。
自身の心境を活用して、健康のために運動をしていきましょう☆
【参考文献】
[Get thee to the gym! A field experiment on improving exercise habits]
[Social support and physical activity participation among healthy adults: a systematic review of prospective studies]