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お金持ちになりやすい性格を調査しましたのでご報告します

今回は、「お金持ちになりやすい性格」について調べた研究がありますので、そちらを解説していきます。

富を形成するのは、年齢や収入以上に、3 つの要因 (財産、貯蓄と投資、物的資産:車や時計・美術品など) があるとされています。そんなこともあり、性格特性がその人の富にどの程度関連しているかを調査したのが、今回紹介する研究ということになります。

どうぞ、よしなに♪

 

 

性格特性と富の関係性

 

これは2023年に出たオープンユニバーシティ・ビジネススクールなどによる調査でして、3,240名のイギリス人を調査し、対象者全員のビッグファイブと所有する要素(財産、貯蓄と投資、貴重な物理的アイテム)を比較していったそうです。

まず、性格特性と富には、次のような関係があるとされています。

 

 

神経症的傾向

  • 富と負の相関があり、感情が不安定、不安感が強い人ほど、財産が少ない傾向があった。
  • 神経症的傾向が高い人ほど仕事にしない(経済的困窮など)傾向にあり、資産運用も失敗しやすい。
  • 神経症的傾向が高い人ほど、車や時計などの物的資産を保有していない傾向にあった。
  • 教育と認知変数を考慮した結果、神経症的傾向が生涯収入のペナルティと関連していた。
  • 感情の安定は男性の高収入と関連しているものの、女性ではその傾向はみられなかった。
  • 1,172 組のカップルにおける家計の純資産蓄積を調査したところ、感情の安定(神経症的傾向の低さ)が世帯レベルでの富と正の関連があった。

 

神経症的傾向が強い人は特に不安を感じやすく、リスクに対して非常に敏感である。
神経症的傾向が金融行動に影響を与える主な要因は、精神的安定性の低下や不安によるリスク回避として行動に表れると予想される。

 

 

誠実性

  • 誠実性が高い人は、不動産や貯金、投資、物的資産のいずれも多い傾向があった。
  • 誠実性の高さは、性別や学歴よりも、富の多さと相関していた。

 

誠実性の高さは、規則に従うこと、勤勉、慎重な計画と組織化、および仕事を勤勉に遂行し、そうした人を好む傾向にある。
行動に一貫性を持っており、それが富に直結している。

 

 

協調性/調和性

  • 神経症的傾向や誠実性ほど強力な関係性がなく、一貫性もない。
  • 協調性の低さとビジネスキャリアの成功にはある程度の関係があるものの、協調性のレベルは仕事の種類によって影響が異なる。
  • 一方の研究では、女性にのみ協調性と低収入には関係があるとされ、他方では、男性にのみ協調性と低収入には関係があるとしている。
  • 資産において、協調性が貯蓄と負の関係にあり、借金と正の関係があることがわかった。

 

協調性の高さと富が負の関係があるのは、高い場合、他者のために自身の資産を消費するとされている。
また、低い場合は他者の利益を無視する傾向にあるため、自身の資産を消費することがないとされている。

 

 

外向性

  • 外向性の高さは、収入の多さとわずかに関係があった。
  • 外向性のキャリアの成功には、対人関係が重大の要素を伴う職業に関連している。
  • 外向性の高さは、貯蓄や投資額はわずかに低くなる傾向があった。
  • 外向性の高さは、外向的ではない人よりも金融資産に高い価格を支払い、より高価な資産を購入することが多い

 

外向性は、社交性と自己主張(対社交的遠慮や臆病さ)に関係しているが、衝動性とも関係している。
それにより、外向的な人は衝動的な出費が多くなり、投資の決断を誤りやすい可能性がある。

 

 

開放性

  • 開放性と投資銀行トレーダーのパフォーマンスとの間に正の関係があった。
  • 開放性と民間市場投資家の間での過剰取引と関係があった。
  • 開放性と個人年金には負の関係があった

 

開放性の高さは、活発な想像力、多様性への好み、知的好奇心が旺盛という特徴がある。
それにより、金融商品の選択には細心の注意を払うものの、事前の計画が低いため、やりくりする能力が低い(その性格ゆえ、積立型の投資も苦手)。

 

 

 

ついで、今回の調査で得られたデータを見ていくと…、

 

  • まず、資産が多い高齢者は、より大きな資産を持っている傾向がある。
  • そして、女性よりも男性の方が多くの資産を持っており、低学歴よりも高学歴の方がより多くの富を築いている。
  • 最も一貫した結果は、3 つの要素すべてに対して誠実性が正の関係にあり、神経症的傾向が負の関係にある
  • 資産変数との相関が最も高かった 3 つは、誠実性と年齢、世帯収入である。次に相関が高かったのは、神経症的傾向と教育、性別である。
  • 3つの要素のうち財産ついては、誠実性の正の関係と開放性の負の関係が同レベルの差異である(開放的な人は、経験にお金を投資するため)。
  • 協調性は利他主義のため、貯蓄や投資には負の相関があった。
  • おそらく衝動的な支出をする傾向が強いため、外向的な人は貯蓄が少ないものの、 物的資産を多く所有していた。

 

総評すると、誠実性が高い人ほど富を築きやすく神経症的傾向が高い人ほど散財しやすいという結論ですね!
このあたりは昔から言われ続けているものですから、特に驚くことではないでしょうな。

研究チームは、

富の形成において、教育レベルよりも性格特性が重要であることが判明した。
学歴は所得水準と関係があるものの、誠実性の高い性格は、支出を管理し、貯蓄や投資に気を配る上でより役立つのだろう。

 

 

高い誠実性と資産蓄積を含む積極的な経済行動および、その結果が、富を構築する一貫したデータを作っているみたいですね。

また、ヘンリー・フォードいわく

稼いだ額で金持ちになれるわけではない

 

というように、使わない分だけお金持ちになります。収入は重要ですが、何を使わないか、そして自分のために役立つよう、貯蓄をどのように慎重に運用するかが非常に重要なのでしょうね。

そのためにも、メンタルを安定させて、財産を無駄遣いしないようにすることが大切みたい。
協調性や外向性、開放性は一長一短な側面がありますんで、中庸な感じを目指すと良いのかな?…って思います。協調性が高かったら無理をした人付き合いをしちゃうものですから、交遊費での出費が怖いものです(汗)

 

 

【参考文献】
[Personality and wealth]

 

 

 

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