テストステロン値が高い人のイメージって、
- 攻撃的
- 野心家
- 向上心がある
- スポーツマン
- 競争心が強い
っていう感じでしょう。
その中でも、進んでリスクを取れるというイメージもありまして、独立・起業やギャンブルといった大勝負に出る人は、テストステロンが高そうに見えてしまいます。ですが、本当にテストステロン値が高い人って、リスクを取る行動を好むものなのか?
今回は、そんな疑問について、答え合わせをしていこうかと思います!
テストステロン値の高さとリスクテイク行動の関係性
これは2026年に出たメタ分析で、過去の研究52件から、合計17,340名分のデータ(年齢範囲は 17 ~ 44 歳、平均年齢は 20.9 歳)をまとめたものになっております。
この手の研究においては、これが現段階での結論となりまして、参考にするには十分な内容だと思います。テストステロンの測定方法ですが、血液や唾液から直接ホルモン量を測定した研究から、ホルモン投与による実験など様々です。
その結論を簡潔に述べますと、「テストステロンとリスクテイク行動の全体的な関係性は、ほとんど存在しない。」が現段階の答えなんだとか…。
つまり、テストステロン値が高いからといって、投資で一発当ててやろうと思うわけでもないし、危険な遊びが大好きなわけでもないし、思い切った決断をする傾向にあるわけでもないのだそうです。あくまで総評としての結論ですので、個別のデータでは「テストステロン値の高い人ほどリスク選好である」という報告もあるのですが、「無関係だった」や「テストステロン値の低い人ほどリスクを取りやすい」という報告もありまして、その総評が「関係がほとんどない」なのです。
なぜ研究結果にバラつきが出たかといいますと、どうやもリスクの実験内容で結果が変化している可能性があります。たとえを挙げますと、
- 「100%の確率で1000円もらえる」か「50%の確率で3000円もらえる」といった、古典的な宝くじのようなギャンブル性のあるゲームでは、テストステロンとリスク選好にわずかながら正の相関関係があった。
- 風船を膨らませて破裂するまで得点を稼ぐゲームや、自己申告式の「私は危険なことが好きだ」的な質問紙では、ほとんどテストステロンとは無関係だった。
つまり、特定のルールがある経済的なギャンブル的要素には、多少の興味がそそられるもの、現実世界における、あらゆるリスクに食指が動くほどの力はないというわけです。
今回のメタ分析で気になった点としては、血液や唾液でテストステロンを直接測定した研究や、実際にテストステロンを投与したような厳密な研究ほど、明確な関係性が確認できなかったことです。
そこを考えると、「テストステロンがリスクテイク行動を決定させる!」というより、測定方法や研究デザインの違いが結果にバラつきを生じさせたのかもしれません。また、性別による差異も確認されておらず、男性であっても女性であっても、テストステロン値とリスクテイク行動の関係性はないそうです。
研究チームも、
ホルモン要因よりも、リスク行動に関する生物心理社会モデルを支持する。
としていて、社会化や機会構造、経験、認知・情動スタイルといったものを総合して、リスクを取るかどうかを判断していると考察されております。要は、
- 生活習慣や文化、価値観に由来するもの
- スキルアップ等、なにかを得られる絶好の機会なのか
- 人生の中で積み重ねてきた経験値
- その時の感情
- 元来の性格
などといったものを総合的に評価して、リスクを取るかどうかを決定しているのかもしれません。
なので、テストステロンという、単一のホルモンだけでリスクを好むかどうかを決めるのは、無理があるのですな☆
【参考文献】
[No relationship between testosterone and risk aversion: A meta-analytic review]