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果たして、加圧トレーニングは本当に効果があるのだろうか?

最近はあまりトレーニングのことについて取り上げていなかったので、今回はトレーニングにお話をしていきます。

筋トレブームである昨今、少し前に流行った「加圧トレーニング」ですが、それが本当に効果があるのか?っということに触れていきます。
腕や脚のつけ根を専用のベルトで締めつけて血流を抑制し、それにより筋肉がつきやすくなるという触れ込みです。ですが、正直なところ、具体的な効果がわかっていませんでした。そして、近年の研究によって現段階の評価がでましたので、それを解説していきます。

どうぞ、筋トレの参考にしていってください。

 

 

加圧トレーニングの効果の総評

 

これは2021年に出た、コクランハンドブックに従っておこなわれた系統的レビューで、加圧トレーニングと従来の筋トレの効果を比較した内容となっております。

これは6つのRCTを総評したもので、対象者は、運動をしない65歳以上の高齢者のみで構成されています。
従来の筋トレと低負荷の加圧トレーニングとを比較して、筋力や筋肉量に差が生じるかを評価しております。メタ分析ではあるものの、運動不足の高齢者がメインとなっており、若者への効果が不明ではあります。とはいうものの、第一に比較データが少ない現状において、参考にするには十分な内容だと思います。

具体的な内容ですが、

 

  1. 全体的に、トレーニングの頻度は週2〜3回
  2. 実験期間は12〜16週間
  3. 従来の筋トレグループは、1回の最大筋力(1RM)の70〜80%の負荷で、6〜12回の反復を3〜4セット行った
  4. 加圧トレーニンググループは、30回を1セットとして、1RMの20〜50%の負荷で15〜18回を2〜3セット、カフの圧力は80〜270mmHg

 

結果なのですが、以下のような結論に当たりました。

 

  1. 加圧トレーニングは、従来の筋トレよりも筋力を向上させる可能性がある(効果量は中程度)
  2. サブグループ分析によると、加圧トレーニングの筋力アップ効果は、膝を伸ばす運動では統計的に有意だったものの、膝を曲げる運動では有意ではなかった。また、MVCによる筋力アップ効果は、従来の筋トレと差はなかった
  3. 筋肉量に対する効果は従来の筋トレと差はなかった。サブグループ分析では、加圧トレーニングで従来の筋トレより腕の伸筋と屈筋のサイズが増加するかもしれない

 

ということで、もしかすると、加圧トレーニングはわずかながら筋力アップ効果がある可能性があるものの、筋肉量については無意味かもしれないという印象です。
正直なところ、すべてのデータが「質がとても低い」に分類されていまして、この結論を鵜呑みにするのはイケないかと思います。それと同時に、現段階で加圧トレーニングの効果をそこまで擁護する根拠もなさそうではあります。

完全に各々の好みの領域で、マッスルコンフュージョンの一環としてするとか、気分転換とかには良いんじゃないかな?っていうレベルでしょう。
個人的にはパフォーマンスが向上するトレーニングが主なので、従来の筋トレとも違うことをしているんですけどね☆

 

 

【参考文献】
[Resistance Training with Blood Flow Restriction Compared to Traditional Resistance Training on Strength and Muscle Mass in Non-Active Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis]

 

 

 

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