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パフォーマンスを上げるなら、完璧主義より【卓越主義】のマインドだ!

「完璧主義は身を滅ぼす」は、健康と言う側面からみると害悪であることは常識となっております。

常に完璧であろうとすると心身ともに疲弊してしまい、健康を害するのは当然と言えます。根っからの職人気質で、それで大きなビジネスやパフォーマンスをしているのなら止めるのは難しいのですが、ごく一般の方々なら最善の状態が無難でしょうね…。

今回は、そんな完璧主義の話題で「パフォーマンスを上げるなら、完璧主義より【卓越主義】のマインドだ!」をご紹介していきます。価値観は人それぞれですが、参考になる内容だと思いますので、どうかご一読ください。

 

 

卓越主義と完璧主義の成果の違い

 

これはオタワ大学などの研究チームがおこなった実験でして、カナダの大学生279名を対象にアンケートをとり、拡散的思考(クリエイティビティの指標)を測定したものとなっております。参加者の創造性を評価し、さらに参加者が卓越主義か、それとも完璧主義かを調査していきました。

まず、この実験によって得られたデータですが、

 

  1. 卓越主義の学生ほど学業成績が優秀で、創造性テストの課題に対する解答数が多く、よりクリエイティビティな回答をしていた
  2. 一方、完璧主義の学生ほど学業成績が芳しくなく、創造性テストの解答数が少なく、クリエイティビティな回答も少なかった
  3. さらに、卓越主義の学生は、完璧主義の学生と比較して低く、あらゆる体験でも許容する能力で高い得点を獲得した

 

完璧主義が創造性を下げてしまうのに対し、卓越主義は創造性を高い状態に向かってくれています。
この現象が起きた原因ですが、研究チームによると

 

  1. 完璧主義者は速やかに完全たる解決策を出そうとするあまり、従来の戦略を重視してしまい、新案や不確実性を回避する傾向にある
  2. 完璧主義者は自身のパフォーマンスを過度に分析するため、脳をクリエイティビティに使えない傾向にある

 

ということを指摘しています。

以前から、分析や論理思考がクリエイティビティと相性が悪いことは指摘されています。なので、この実験でも似たような現象が見られたようです。

 

では、卓越主義はどうでしょう?

卓越主義(excellencism)と完璧主義(perfectionism)の考え方ですが、

 

  1. 卓越主義:自身に対して厳格に高い基準を設定し、優秀さを目指して精進する傾向
  2. 完璧主義:常時、完璧をして自身に厳格に高い基準を設定し、自身の行動を非常に批判する傾向

 

両者ともに成果への目標が高いところは共通していますが、完璧主義が自己批判が強いが、卓越主義は完璧を追求していないのが大きな差です。

自己ベストを更新すべく努力できれば、それに満足できる感覚だと捉えるといいでしょう。
さきほどのクリエイティビティの実験も、どちらも高いレベルを設定しているのに卓越主義と完璧主義で大きな差が生まれたのも、一重に「少しでも良いアイディアをだそう!」と「0か1で、完璧でないのなら無価値だ!」の違いなのかもしれません。

研究チームは、

卓越主義では、優秀者に到達することで満足感を得るのに対し、完璧主義では卓越性のさらに上に到達して初めて満足感を得る。そのため、卓越主義においては「とても良い」「有能」「成し遂げた」「上出来」「適切」 などの言葉が典型的な表現として使用される。

 

 

僕の主観ですが、「今の自分よりも少しでもレベルアップした状態」を目指すのが卓越主義でしょうね。
自己効力感がメンタルによいし、少しでも前進した感覚はヤル気につながるし、卓越主義がパフォーマンスを向上に適したマインドと言えそうです!

さらに、

完璧主義の制約を緩和するためには、「常に完璧でなくても問題ない」と許容できるように、自身の物語を変化させる必要がある。そのため、卓越主義は完璧主義にうって変わる、適切な選択肢となり得る。

 

 

「いつも完璧主義!」はメンタルがやられちゃうし、成果物もよろしくはありません。
卓越するくらいがちょうどいいと思いますね。あと、完璧主義な自分を許すには「セルフコンパッション」を参考にすると良いでしょうね☆

 

 

【参考文献】
[Is perfectionism a killer of creative thinking? A test of the model of excellencism and perfectionism]

 

 

 

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